1923年9月1日午前11時58分に神奈川県西部を震源としたM7.9の巨大地震が発生しました。地震によって津波、土砂災害、家屋崩壊などが発生し多くの犠牲者を出しましたが、中でも最大の被害をもたらしたのは広い範囲で発生した火災で、9万人を超える人命が失われました。これらの被害をあわせて「関東大震災」と呼び、現在では9月1日は災害に備える「防災の日」となっています。
きょう、関東大震災から100年が経過しました。地震の発生を止めることはできませんが、地震による火災はあらかじめ対策を取ることによって防ぐことができます。地震火災の惨禍を繰り返さないために、日本消火器工業会では地震と消火器についてお伝えします。
(写真出典:気象庁HP「東京駅前の焼け跡、日本橋方面」に日本消火器工業会が文字追加)
地震火災を起こさないため必要なことは「あらかじめ火災が起こらないための対策をとる」ことと、「もし火災が起きてしまったら、小さいうちに消し止める」ことです。
われわれ日本消火器工業会は、火を小さいうちに消し止める「消火器」を作っているメーカー団体ですので、まずは身の回りにある「消火器」についてのチェックをおすすめしています。
① すぐ近くに消火器はありますか?
最初は小さな火でも、すぐに燃え広がって大きくなってしまいます。しかし、もし火が発生してしまっても、消火器をすぐに使えば大きくなる前に消し止められる可能性が高くなります。
そこで、まずは「一番近い消火器の位置はどこか」をチェックしてみてください。ご自宅の中に消火器があるか、マンションなどでは共用部の消火器がどこに置いてあるか、自治体や町内会などが街頭に設置している消火器はあるか、まわりを確認してみましょう。
また「もしキッチンで火が起きたら、消火器をすぐに取りに行けるかな…」とシミュレーションをしてみて、自宅内で消火器を置く場所を考えてみるのも良いのではないでしょうか。
もし、「自宅の近くに消火器がない!」または「消火器はマンションの廊下にあったけど、重そうだし持てるか不安だな…」といった場合は、小型で軽量な住宅用消火器の設置をおすすめしています。コンパクトでデザインも豊かな住宅用消火器を各メーカーがご用意していますので、「住宅用消火器一覧」からご覧ください。
② 近くにある消火器は使える状態ですか?
ご自宅に消火器を備えている、チェックしてみたことはありますか?もし消火器が使える状態になければ、かえって危険です。 ご家庭に任意で設置している消火器に点検義務はありませんが、いざという時のために、ぜひご自身でチェックしてみることをおすすめします。
ご家庭の消火器の点検はとてもカンタンですので、下の画像をみながら確認してみてください(画像をクリックすると拡大します)。
※ PDFファイルのダウンロードはこちらをクリックしてください。また、ご家庭に業務用消火器を設置されている場合はこちらをクリック(PDF)してください。
③ 消火器の使い方をご存じですか?
消火器の使い方はとてもカンタンです。はやく・完全に・きちんと消火ができるように次の操作手順を学んでおきましょう。
また、実際に火を前にするとなかなかうまく使えないことも多いようです。地域の防災訓練などに参加して使い方を体験しておけば、いざというときも安心です。
* 以下の操作手順は住宅用消火器(ホースなし)の例です。ホースがある消火器の場合は、片方の手でホースを持って火元へ向けて放射します。
住宅火災の基礎知識とご家庭の消火器について、パンフレット「消火器のしおり」や動画「くらしにプラス!住宅用消火器」でさらにくわしくわかります。ぜひご覧ください。